

ストレスとは何か
── 身体と心に起きる変化を正しく知る ──
日常生活の中で「ストレス」という言葉はよく使われますが、医学的にはもう少し広い意味を持っています。
ストレスとは、外部からの刺激(ストレッサー)によって、身体や心に負担がかかる状態を指します。
その刺激は必ずしも“悪いもの”とは限らず、仕事・人間関係・気温の変化・嬉しい出来事なども含まれることがあります。
■ ストレスが生じる仕組み
人間がストレスを受けたとき、体内ではさまざまな反応が起こります。
● 自律神経の変化
ストレスを感じると、身体は“緊張モード”の 交感神経 が優位になります。
・心拍数が上がる
・呼吸が浅くなる
・筋肉がこわばる
・胃腸の動きが低下する
といった反応が現れやすくなります。
● ホルモンの変化
ストレスが続くと、コルチゾールなどのホルモン分泌が増加します。
短期間なら身体を守る役割がありますが、長期間続くと心身の負担となり、不調につながります。
● 心の反応
気分の落ち込み、不安、集中力低下、イライラなど。
これらは身体の変化と密接に関係しています。
■ ストレスが続くとどんな影響が出る?
ストレスは悪者というより、“長期間”・“強い負荷” が問題になります。
慢性的なストレスは次のような心身の不調につながることがあります。
● 身体の症状
?頭痛
?眠れない
?お腹の不調(下痢・便秘)
?動悸
?肩こり・倦怠感
?免疫力の低下
?過敏性腸症候群や心因性の咳などの身体症状
● 心の症状
?気力が落ちる
?不安が強くなる
?イライラが増える
?物事を楽しめなくなる
?注意が散漫になる
これらは“気のせい”ではなく、ストレスによって実際に起きる医学的な反応です。
■ ストレスは「溜めない」より、「整える」ことが大切
完全にストレスのない生活は現実的に不可能です。
医療的には、
? ストレスを減らす
? うまく受け流す
? 体力・メンタルの回復力を高める
この3つのバランスを整えることが重要とされています。
■ ストレス対処の基本(医学的に有効な方法)
ここでは科学的に効果が示されている代表的な方法を挙げます。
@ 睡眠の質を整える
睡眠は最も強力な“回復装置”です。
規則的な睡眠、寝る前のスマホ控えめ、光の調整などが有効です。
A 軽い運動
ウォーキング・ストレッチなどの軽い運動はストレス反応を和らげます。
特に「散歩」は医学的にも非常に効果が高いとされています。
B 気分転換
音楽、読書、趣味など。
「楽しいことをする」のではなく、
“負荷の低い時間を作る” という視点が大切です。
C 人に話す
誰かと話すことは、ストレスによる心の負荷を軽くする大きな要素です。
医療機関での相談やカウンセリングも効果があります。
D 自律神経を整える
深呼吸・マインドフルネス・軽い瞑想は、緊張した身体をゆるめてくれます。
■ ストレスが“限界サイン”を出しているとき
以下のような状態が続く場合、医療機関への相談が推奨されます。
?眠れない日が続く
?食欲が落ちている
?朝起きられない
?気力が著しく低下している
?動悸・めまい・息苦しさが頻繁に起こる
?仕事や学校に行けなくなってきた
ストレスは「気持ちの弱さ」ではなく、
心と身体の“負荷のサイン” です。
早めに相談することで、回復が格段にスムーズになります。