札幌 心療内科 精神科 メンタルクリニック札幌大通
不眠症の種類 ― 睡眠のトラブルを正しく理解するために
はじめに
「眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早くに目が覚めてしまう」──
こうした睡眠の悩みは誰にでも起こり得ますが、症状が長期間続く場合には**不眠症(insomnia)**の可能性があります。
不眠症は単に「眠れない病気」ではなく、睡眠のどの段階で問題が起きているかによっていくつかのタイプに分類されます。
それぞれ原因や対処法が異なるため、正しい理解が重要です。
1. 入眠障害(にゅうみんしょうがい)
―「寝つけない」タイプの不眠
布団に入ってもなかなか眠れず、入眠までに30分?1時間以上かかる状態です。
最も多く見られるタイプで、緊張・不安・ストレスなどの心理的要因が関与することが多いとされています。
主な原因
?不安や考えごとが頭から離れない
?寝る前にスマートフォンを長時間使用
?カフェインやアルコール摂取
?睡眠リズムの乱れ(夜更かしなど)
対応のポイント
?寝る直前のスマホや仕事を避ける
?リラックスできる習慣(ぬるめの入浴、深呼吸など)を取り入れる
?就寝・起床時間を一定に保つ
2. 中途覚醒(ちゅうとかくせい)
―「夜中に何度も目が覚める」タイプの不眠
眠りについても途中で何度も目が覚めてしまうタイプです。
再び眠ろうとしても眠れない、あるいは眠りが浅い状態が続きます。
主な原因
?加齢による睡眠構造の変化(浅い眠りが増える)
?精神的ストレスやうつ病の初期症状
?睡眠時無呼吸症候群、頻尿などの身体要因
?飲酒(アルコールによる眠りの質の低下)
対応のポイント
?飲酒・喫煙を控える
?夜間のトイレ回数を減らす工夫(カフェイン控えめ、就寝前の水分制限)
?病的な要因(睡眠時無呼吸、うつなど)が疑われる場合は医療機関を受診
3. 早朝覚醒(そうちょうかくせい)
―「朝早く目が覚めてしまう」タイプの不眠
本来起きる時間よりも2?3時間早く目が覚め、その後眠れなくなるタイプです。
高齢者やうつ病の方に多くみられます。
主な原因
?加齢により体内時計が前倒しになる
?うつ病や抑うつ状態
?強いストレスや環境要因(早朝の光、騒音など)
対応のポイント
?朝起きたら太陽光を浴びて体内時計を整える
?就寝時刻を少し遅らせる
?抑うつ症状がある場合は精神科・心療内科での相談が必要
4. 熟眠障害(じゅくみんしょうがい)
―「眠ったのに疲れが取れない」タイプの不眠
十分な睡眠時間をとっても「ぐっすり眠った感じがしない」「朝から体がだるい」と感じるタイプです。
本人の主観的な眠りの浅さが特徴で、自律神経の乱れやストレス、睡眠の質の低下が関係します。
主な原因
?ストレスによる交感神経の過剰な緊張
?睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害など
?アルコール・睡眠薬の影響
対応のポイント
?睡眠環境を整える(室温・照明・寝具の見直し)
?寝る前のリラックス習慣を持つ
?医師の指導のもとで睡眠検査を受けることも有用
おわりに
不眠症は、「眠れない」という結果の裏にさまざまな原因がある状態です。
一時的なストレスや生活習慣の乱れで起こることもありますが、
慢性的に続く場合は、うつ病や身体疾患が背景にあることも少なくありません。
重要なのは、
「眠れないことを責めない」こと。
そして、「原因を探り、生活リズムと心身を整える」方向に目を向けることです。
睡眠は“休息”であると同時に、“心と体の修復時間”でもあります。
適切なケアを重ねることで、必ず眠りのリズムは取り戻せます。